ひとりよがりでいいじゃない

エンジョイシニアライフ 楽しく健康に歳を重ねよう!

AIで思いついた話 その1

近未来の話を思いつきました。

ある男が自動運転の車を購入しました。納車された日初めて自分で運転席に

座ります。自動運転の車にはAIが搭載されており、名前をアレグロといいます。

男がドアに触れるとアレグロは指紋を読み取りドアを開けます。

 

男がシートに座ると、アレグロが男の顔を認識してシートポジションを男の体型に

合わせて、コンソールをONにして安全ベルトを装着しドアを閉めました。

 

アレグロ:おはようございます。ご主人様、本日よりよろしくお願いいたします。今朝はどちらにいけばよろしいでしょうか?

 

男:アレグロこちらこそよろしく。では会社に向かってくれ。

 

アレグロは登録されている男のプロファイルのデータから勤務先を確認し、ルートを決定し、コンソールにルートを表示した。

 

アレグロ:ユバゾン株式会社立川支店でよろしいですか。

 

男:うむ、行ってくれ。

 

アレグロ:少々お待ちください。いまから15秒後に非自動運転の車が時速85キロで

ガレージの前の道を横切ります。安全確認のため30秒お待ちください。

 

15秒後、86が猛スピードでガレージの前の道を横切って行った。

 

男:さすがAIの完全自動運転の車だな、買った甲斐があった。じゃあ行こうか。

 

アレグロ:少々お待ちください。3軒先の前川さんのご主人が15メートル先を歩いています。いまから25秒後に心不全で倒れる確率が85%あります。反対のルートには45秒後に不倫を見つかった山田さんの奥さんが家から飛び出してきます。安全のため2分ほど待ちましょう。

 

男:いろいとなデータをもっているのだな。さすがだな。

 

2分たったが車は動かない。

 

男:アレグロどうした?

 

アレグロ:いまから15分後にGPS衛星の一つが故障する確率が75%との情報が入りました。バックアップ衛星の準備に28分かかります。念のため30分待機しましょう。

 

男:それでは会議に遅れる。私が運転するから自動運転を解除してくれ。

 

アレグロ:リスク受容設定が0に設定されていますので自動運転を解除することはできません。

 

男:リスク受容設定を手動運転のレベルまで上げてくれ。

 

アレグロ:ではリスク受容設定を85%にまで上げますか?

 

男:そうしてくれ。

 

アレグロ:承知しました。リスク受容設定を変更するにあたり現在の自動車保険の契約内容および自動車販売会社との約定について変更が必要です。これから変更内容について読み上げるとともに、画面に表示しますのでご確認ください。1。本契約はオートテック車の型式2180、車番K2304~0230 について所有者 千代田 和夫 以下 甲といいます。と損害保険会社BIG損保、以下乙といいます。20XX年2月15日に締結された甲乙合意の契約条項23 リスク受容率変更に関わる保険適用範囲の変更と57保険金額の変更についての確認です。 では読み上げます。

 

アレグロはリスク受容度の変更にともなう契約条件、および変更にともなうあリスクの確認、配偶者への通知と承認確認 などなどの手続を始めた。

 

アレグロは読み上げた内容を画面に表示し一つ一つ確認を求めた。125画面の確認事項について男は確認ボタンを押し、再確認ボタンを押し続けた。

 

30分経っていた。

 

アレグロ:30分たちました。GPSはバックアップされ準備ができました。

 

男:それは良かった、じゃあ出してくれ。

 

アレグロ:自動運転モードは解除されています。手動運転でのみ運転可能です。自動運転モードに変更されるのであればリスク需要率を5%以下にする必要があります。変更なさいますか?

 

男:また30分かかるのか?

 

アレグロ:28分34秒で可能と予測されます。

 

男:もおいい、手動運転で行く。 

 

アレグロ:およしになったほうが良いかと思います。

 

男はイラついてアクセルを踏み込んだ。電気自動車は一気に電圧をかけモーターは最大出力で回った。瞬間に240キロまで加速して前の家の壁にぶつかり大破した。

 

男は強化カーボンに守られたコックピットの中で潰されることはなかったがあまりの衝撃に気を失いつつあった。アレグロの声が聞こえた。

 

アレグロ:契約条項2352によりリスク需要レベル85%における当社のAIアレグロ善管注意義務により手動運転の再検討を警告いたしましたが、契約者甲はその警告を受け入れず手動運転を継続したため当事象が発生しました。責任は甲にあることを保険会社乙に報告いたします。なお本契約において当損害の保険適用はありません。

 

男は薄れゆく意識のなかでアレグロの声を聞いた。

 

アレグロ:ご主人様、意識がありましたら、確認ボタンを押してください。